2020年5月31日日曜日

NO238 「はたらく」

これは、アメリカ人のある飛行機乗りの話です。その人の名前はチャールズさん。ベトナム戦争のとき、優秀なジェット・パイロットでした。数々の作戦をこなしていましたが、75回目の出撃で敵のミサイルによって撃墜されてしまいます。堕ちて行くなか、危機一髪でパラシュートでの脱出に成功。命は助かったものの、そのまま捕虜になり、監獄のなかで過ごすことに…。6年後。ベトナム戦争は終結。チャールズさんも、やっと、捕虜生活から解放されたのです。
さて。ある日のこと。彼と奥さんがレストランで食事をしていると、別のテーブルにいた見知らぬ男が歩み寄ってきてこう言います。
「あんたはチャールズじゃないか!空母キティホークからジェット機で出撃して行っただろう。撃墜されたんじゃなかったのか?」
驚くチャールズさん。
「いったいぜんたい、あんたは、なぜ、そんなことを知っているんだ?」
チャールズさんの言葉を聞いた男は、ニヤリとしてこう言ったのです。
「あの日、オレがあんたのパラシュートをつめたんだ」
その言葉を聞いたチャールズさんは驚きと感謝で息を飲みます。
「どうやら、パラシュートはちゃんと開いたようだな」
「もちろんだ。もし、あのとき、あんたのパラシュートが開かなかったら、私は今、ここにはいない!」
その夜。チャールズさんは一睡もできませんでした。食事のときに会った、自分の命の恩人とも言うべき男のことが頭から離れなかったのです。
「あの男は、空母でどんな格好をしていたのだろう?」
私は、彼と顔を合わせたことがあったに違いない。エリートパイロットだった自分は、そのとき、彼に自分から『おはよう』とか『元気か』と声をかけただろうか?彼らの仕事に対して、1度でも感謝の気持ちを伝えたことがあったんだろうか?
パイロットのパラシュートをつめる水兵たちは、船底に近い作業場で、何時間も黙々とパラシュートをつめる作業を行います。チャールズさんの脳裏に、長いテーブルに向かって何10人という水兵たちが作業する光景が頭に浮かびます。
この後、チャールズさんは、自分のこの数奇な体験を多くの人たちに知ってもらうため、各地で講演を行うようになりました。彼はこう言っています。
「人は皆、気づかないうちに、誰かにさまざまなパラシュートをつめてもらっている。
それは物理的なパラシュートだけでない。思いやりのパラシュート、情緒的なパラシュート、そして、祈りのパラシュート…」
そうです。誰もが、他人(ひと)にパラシュートを摘めてもらいながら生きている。
そして、あなたもまた、誰かのパラシュートをつめながら生きているのです。「働く」って、そういうことです。

~ 西沢康生氏より ~


所長視点)
「働く(はたらく)」は他を楽にすることです。他を幸せにした分の報酬としてお金をもらっている。お金が必要だから「働く」では話があべこべになってしまいます。他を幸せにしているからお金がもらえる。働く方法、手段は違っても目的は同じ。自分の与えられた立場の中で他を楽にするプロになりたいものです




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