以前、ある会社で振り返りをやって、目が点になったことがあります。一流企業の40代の管理職が「努力が足りなかったから、うまくいかなかった」と平然と発言するのです。しかも驚いたことに、誰一人それに突っ込まず、「次は頑張ろう」で終わらせようとするのです。 こうなってくると、もはや末期的な症状です。脊髄反射的に仕事をさばき続けているうちに、考えることをみんなが忘れてしまったに違いありません。小学生の反省会でも、もう少しまともな話をします。それを小学生レベルというのは、小学生に失礼かもしれません。こういう発言が出たときこそ、「なぜそうなのか」「本当にそうなのか」「他の考えはできないのか」の3つの質問を使って、本質を見つけ出すようにします。
たとえば、こんな感じです。
「だったら、何か努力を妨げていたのでしょうか?」
「時間がなかったからかなあ……」
「なるほど、時間がないと。じゃあ、どうやったら、なくならないようになるんでしょうね。本当に時間って、ないのでしょうか?」
「そうだなあ……おそらく、仕事の要領が悪いんだと思うよ」
「そうですか、要領が悪いから時間がなくなると……。となると、もっと効率的に仕事ができるようになれば、努力する時間があった、ということでしょうか?」
「ウ~ン、それはそうかもしれませんが……」
「ところで、そもそも、要領って何ですか? 具体的にどんなところが悪いと感じていらっしゃるのでしょうか?」
これはその人を責めているのではありません。本質を見つけ出すために、一緒に考えているのです。あくまでも対話であることを忘れないようにしなければなりません。
「だったら、何か努力を妨げていたのでしょうか?」
「時間がなかったからかなあ……」
「なるほど、時間がないと。じゃあ、どうやったら、なくならないようになるんでしょうね。本当に時間って、ないのでしょうか?」
「そうだなあ……おそらく、仕事の要領が悪いんだと思うよ」
「そうですか、要領が悪いから時間がなくなると……。となると、もっと効率的に仕事ができるようになれば、努力する時間があった、ということでしょうか?」
「ウ~ン、それはそうかもしれませんが……」
「ところで、そもそも、要領って何ですか? 具体的にどんなところが悪いと感じていらっしゃるのでしょうか?」
これはその人を責めているのではありません。本質を見つけ出すために、一緒に考えているのです。あくまでも対話であることを忘れないようにしなければなりません。
~ファシリテーション協会会長 森 時彦氏より~
所長視点)
物事を改善するには「ダブルループ」の考え方が必要です。うまくいかなかった原因を考えるのは「シングルループ」。うまくいかなかった原因が発生する仕組みを考えるのが「ダブルループ」です。一回振り返り、さらに深く振り返る。そうすることで構造が改善され同じ失敗がなくなります。問題が発生する構造に目を向ける。これが危機を機会に変える方法です
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