2020年8月29日土曜日

NO321 「自己決定」

新型コロナウイルスの世界的な感染爆発によって、僕たちが暮らす世界は、あらゆる面で大きな転換期を迎えた。新型コロナは、さまざまな潜在的な課題を顕在化させたのだ。コロナ後の世界は、新しい価値観や仕組みによって、コロナ以前の世界とは全く別の世界になるはずだ。その時に、一人ひとりがきちんと「死」に向き合えるようになっているべきだと僕は考えている。もっと言えば、コロナ後の新たな世界は、もう一度「生」と「死」を捉え直すことから始めるべきなのではないだろうか。
「死」をやみくもに恐れる必要はない。遠ざける必要もない。「死」は人生にとって大切な一瞬であり、人生の大事業なのだ。だからこそ、元気なときに一度、自分流の「死」を考えてみてほしい。手始めに延命治療をするかどうか。死ぬ場所はどこがいいか。一つでも自己決定をしてみると、生き方が人任せじゃなくなる。自分が人生の主人公になれる。「死」は「生」を輝かせてくれる。そう信じている。

~ 医師 鎌田寛さんより ~

所長視点)
生きることは自己決定の連続です。コロナ禍は我々に改めて自己決定を迫られたような気がします。住む場所や働く場所はどうするのか。友人や仕事の仲間たちとの関係はどうするか。仕事を存続させるため何をするのか。どんな環境でも最後は「自分が決めた」という自覚が「よく生きる」「一生懸命生きる」ことにつながります。そして「よく生きる」ことは、よく死ぬことでもある。一生懸命に生きたものは、納得して死を受け容れることが出来る、につながります

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