2020年8月22日土曜日

NO314 「免許皆伝」

戦国時代の剣士、兵法家の塚原卜伝のこんなエピソードがある。
『技量優秀で、そろそろ免許皆伝を与えようかと、卜伝が思っていた高弟がいた。あるとき、この高弟が馬の後ろを通ったところ、馬がいきなり後ろ足で蹴り上げてきた。周囲の人たちが危ない、と思った瞬間、この高弟は、ひらりと身をかわしたのである。それを目にした人たちは、「さすが卜伝先生の高弟だ」と、口々に称賛した。
ところが、この話を聞いた卜伝は違った。「未熟者め」と言って、免許皆伝を与えなかったのである。そして、ある日のこと。卜伝が歩いていて、馬に出くわした。高弟と同じ状況である。卜伝はどうしたか。馬のそばを避け、遠く迂回して、何事もなく通り過ぎていったのである。それを見て、なぜ卜伝が高弟に免許皆伝を与えなかったか、みんなは納得した。』
~ 武道に学ぶ「必勝」の実戦心理術より ~

所長視点)孫氏の兵法によると「戦う方法」には四つあるのだそうです。
最良の方法は「智」によりて勝つ。第二は「威」によりて勝つ。第三は、「助」によりて勝つ。最悪の方法は、「武」によりて勝つというものです。まじ、自分の腕に覚えのある人は、自分の得意分野で競ってしまう。ねじ伏せられた人は、必ずうらみを持つ。そして、いつかしっぺ返しがくる。極めた人の生き方には通じるものがありますね

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