2020年12月4日金曜日

NO413 「コップの話」

心配、不安、焦り、悲しみ、嫉妬、怒り、湧き上がってきた感情に振り回されたり飲み込まれそうなときは、これからお伝えするコップの話を思い出してください。
透明なコップに水と土を入れ、箸でグルグルとかき混ぜた様子をイメージしてみましょう。かき混ぜた途端にコップの中の透明度は失われ、コップを目の高さまで持ち上げ、どの角度から覗き込んでみても、中に何が入っていたか判別が難しくなります。ここで一度、平らな場所にコップを静かに置いてみましょう。かき混ぜられて渦を巻いていた泥水は、少し待っている間に少しずつ波が静まっていき、落ち着きを取り戻します。そして、時間が経つとともに、重たいものは下へと沈んでいき、コップの中身がはっきりとわかるようになります。このかき混ぜられた泥水こそが、私たちの心の状態です。私たちの日常はいつなんどきも感情とともにあり、手放すにしろ執着するにしろ、湧き上がってくる感情に対処することを繰り返しています。つまり、私たちの心は、かき混ぜられたコップの中の泥水のように混沌としているのです。いつも泥水のままで視界がクリアになる瞬間がなければ、自分の本心がどこにあるのか、何を大切にしたいと考えているのか、湧き上がった感情の何に反応して心が乱されているのか、わからなくて当然です。だから、いったんコップを置き、心を鎮めることが必要なのです。

~ 佛母寺住職 松原正樹さんより ~

所長視点)
このコップを置くという動作が、座禅であり、マインドフルネスです。また自然なかに身をおいてボーッとするなど、自分の心の考えや感情をそのまま受け入れて、受け流していく・・・思いを手放した瞬間、新しく新鮮な感情が湧いてきます。これが心が主体の状態で、人間のパフォーマンスが最大限に発揮されやすい状態だそうです。



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