2020年11月7日土曜日

NO388 「希望」

10年以上前のこと、国連「平和の使者」でもあるジェーン・グドール博士を囲む会に出席しました。彼女は優しい語り口で、人類の「希望」について語っていました。世界中の環境破壊や戦争の悲惨を目の当たりにし、9月11日の事件も間近で目撃した彼女の話の内容は「なぜ、我々が、こうした破壊や悲惨に満ちた世界において、なお、未来に「希望」を持ち続けるべきか」を、深く静かな信念に満ちて語ったものでした。その彼女の言葉の余韻の中でふと、心に浮かんできた思いがありました。
「希望」とは何か。いまこの世界には「悲しみ」や「苦しみ」が溢れている。しかし、いつかこの世界にも「良きもの」が訪れる。「かならず、良きものが訪れる」その「未来」を信じられることを、我々は、「希望」と呼びます。しかし「希望」という言葉の本当の意味は、そうではないのかもしれません。
「訪れるものは、すべて良きもの」いま、この世界に溢れている「悲しみ」や「苦しみ」。そのことも含め、すべてのものごとがこの世界に「良きもの」が生まれてくるための深い「意味」を持っている。その「意味」を信じられることを、我々は、「希望」と呼ぶのかもしれません

~ 田坂広志さんより ~

所長視点)
希望の明日を信じて今日を耐え、明日につなぐ…これもいいですが、悲しみや苦しみも全て受け入れて感謝できる心を、希望と呼んでもいいのかもしれません

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