人は誰しも、物事のポジティブな面より、ネガティブに注目しやすい。これはネガティブ本能のなせるわざだ。そしてネガティブ本能もまた、世界の「とんでもない勘違い」が生まれる原因になっている。その勘違いとは、「世界はどんどん悪くなっている」というものだ。世界の現状について、これほどよく聞く意見はほかに見当たらない。もちろん、暗い話は世界に数え切れないほどある。たとえば戦争による死者数は、第二次世界大戦を境に減り続けていたが、最近はシリア内戦が原因でまた増えつつある。テロの数も同じく増加中だ。漁業での乱獲や海洋汚染もきわめて深刻な問題だ。生物が生きられない海域や、絶滅危惧種も増えている。温瞪化で氷が溶け、次の100年で海面は1メートル弱ほど上昇するだろう。
しかし、それとともに数え切れないほどの「小さな進歩」の繰り返しが世界を変え数々の奇跡を起こしてきた。とはいえ、一つ一つの変化はゆっくりで細切れだからなかなかニュースには取り上げられない。
しかし、それとともに数え切れないほどの「小さな進歩」の繰り返しが世界を変え数々の奇跡を起こしてきた。とはいえ、一つ一つの変化はゆっくりで細切れだからなかなかニュースには取り上げられない。
~ ハンス・ロスリング氏 より ~
所長視点)
本書によると 「世界の大半の人は「世界はとんどん悪くなっている」というとんでもない勘違いをしている…とのこと。世界の貧困は20年前の半分になっているのに、未だアフリカのほとんどが貧困であると思っている。これは自分に対しても同じ。過去の失敗に囚われすぎて「小さな成功」に気づかない。奇跡が起きても、たまたまだと思ってしまう。「ネガティブ本能」に気をつけましょう
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