2020年10月1日木曜日

NO352 「生きる陣地」

年をとると新陳代謝が衰えて、イヤでも体に脂肪がついてくるが、心のぜい肉にも同じことがいえる。年齢やキャリアを重ねるにつれて、お金の次は地位、さらには名誉などと欲望をしだいに太らせていく人がいる。人間の欲はほうっておくと肥大するものだ。自分を大きく見せるのはたやすい行為である。反対に「自分を小さくする」ことはきわめてむずかしい。人が生きる陣地はおのおの小さいものでいいと思う。
自分の本質を保って余分な衣やぜい肉をまとわない。ものを加えるのではなく、ものを削っていく発想をする。自己肥大ではなく自己凝縮の方向へ努力をする。存在意義を自分の外へ求めるのではなく、自分のうちに求めるが大事である。いたずらにサイズを大きくしようとするよりも、サイズはそのままでいいから中身の密度を濃くすることに力を注ぐ。
そのような生き方をした有名な人物が2人いる。カントは死ぬまで我が街から一歩も出でず。イエス・キリストの布教はわずか5マイル四方。しかし二人は人類を永遠に照らす深い真実を遺した。広さではなく、深さが真実や真理を伝えるのだ

~ 山越俊夫さんより ~

所長視点)
50才を境に人生の生き方を修正するのがいいといいます。50才を越えたらいかに捨てるか?こだわりをなくすか?そうすることで心が深く深く掘り下げられていきます。欲しいものや願いごとよりも、捨てるものややらないことに関心をもつ生き方もかっこいいのかもしれません

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