2020年7月25日土曜日

NO288 「かえるがいる」

あなたは美術館へ行ったとき…あなたは「絵を見ていた時間」と、その下の「解説文を読んでいた時間」どちらのほうが長かったですか?おそらく、「ほとんど解説文に目を向けていた」という人がかなり多いはずです。とはいえ、「作品をじっくり鑑賞する」というのは、案外けっこう難しいものです。物事の表面だけを撫でてわかった気になり、大事なことを素通りしてしまっている…そんな人が大半なのではないかと思います。

「かえるがいる」

岡山県にある大原美術館で、4歳の男の子がモネの《睡蓮(すいれん)》を指差して、こんな言葉を発したことがあったそうです。「えっ、どこにいるの」と聞き返しました。この絵の中に「かえる」は描かれてないのです。その男の子はこう答えたそうです。

「いま水にもぐっている」

私はこれこそが本来の意味での「アート鑑賞」なのだと考えています。その男の子は、作品名だとか解説文といった既存の情報に「正解」を見つけ出そうとはしませんでした。むしろ、「自分だけのものの見方」でその作品をとらえて、「彼なりの答え」を手に入れています。
ビジネスだろうと学問だろうと人生だろうと、こうして「自分のものの見方」を持てる人こそが、結果を出したり、幸せを手にしたりしているのではないでしょうか?じっと動かない1枚の絵画を前にしてすら「自分なりの答え」をつくれない人が、激動する複雑な現実世界のなかで、果たしてなにかを生み出したりできるでしょうか?

~ 美術教師 末永幸歩さんより ~

所長視点)
創造性は人間にだけに与えられた能力です。人間らしさ=創造性 ともなります。いままでの価値観の囚われず、自分の心の奥の本心にフラットな心から溢れてくるものが創造性です。本心は第二の神様。本心の声が聞こえる生活を心がけていきたいものです

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