2020年7月2日木曜日

NO266 「ほんものは続く、続けるとほんものになる」

禅の修行道場に入った当初は、誰もが何もできません。座禅をするのも、もちろん、はじめてですし、お経をあげたこともない。まだ、外が暗いうちに起きたこともなければ、掃除を一生懸命にしたこともない、いわば、“ないない尽くし”の状態から修行に入っていくのです。ですから、毎日がきつい、つらい、しんどい…ことの連続です。
座禅は、すぐに足が痛くなりますし、背中も丸まる。日々の食事も質素で、そこに空腹感も加わって、「耐え難い」という思いに駆られます。否も応もなく、その日々がつづきます。ところが、不思議なもので、日数が経過するにつれて、きつさ、つらさ、しんどさが徐々にやわらぎ、そして、やがて、足が痛いと感じることもなくなり、正しい姿勢を保てるようになって、座禅が“サマ”になってくる。そうなるまでの目安はほぼ100日だとされています。
サマになるとは、言葉を換えれば、身につくということです。座禅の足はこう組む、手はこのかたちにする、姿勢はこう、呼吸は…といちいちチェックしなくても、自然にその姿になれる。それが身につくということでしょう。
身につくのは、くる日もくる日も、つづけることによって、習慣になった、その結果です。その意味でいえば、修行は“習慣づくり”である、といういい方ができるかもしれません。

~ 曹洞宗徳雄山建功寺 枡野俊明住職より ~


所長視点)
禅に「即今、当処(とうしょ)、自己」という言葉があります

“そのときその瞬間に”、“自分がいるその場所で”、“するべきことを自分でやる”。

そのことの大切さをいった言葉だそうです。これが、身につけるためのコツになります。一見簡単に思えますが、自分の今までの考えや思いが邪魔してなかなか出来ない、やっても続かないことが多いように思います


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