人生ということに引き寄せていえば、なにも持たない裸で生まれてきて、やはり、なにも携えずに死んでいくのが人の人生というものなのだ、ということ。「人生は、手ぶらで生きて、手ぶらで死ぬのがいい」ということです。
給料が平均より上だ下だ、といっても、そんなことは無に始まり、無に終わる人生の、小さな一局面、些細な断面でしかないのです。平均をはるかに超えたとしても、平均に遠くおよばなくても、それが自分の歩幅であり、そこでしか、たしかな人生の足跡を刻むことはできないのです。その足跡の連なりが人生です。ですから、誰一人として同じ人生を歩むことはありません。人の数だけ人生があるのです。そのことに早く気づいてください。
すると、「平均」を目安にすること、それを意識することの無意味さがわかってきます。
~曹洞宗徳雄山建功寺住職 枡野俊明さんより~
所長視点)
あるがままの環境を受け入れ、ありがままの自分を受け入れる…そこに人と比べるといった人生観が入る隙間はないようです。あるがままの環境も受け入れるには、こだわりのない手ぶらの人生が必要… もはや、悟りの世界?
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