2020年6月28日日曜日

NO263 「臨死体験」

ワンマン社長として辣腕を振るってきた60才の社長が、ある日突然心臓麻痺で死んでしまいました。肉体から抜けた彼の「魂」は、トンネルと林を通り、お花畑に差し掛かりました。空は青く、寒くも暑くもなく、とても心地よいところです。すると、天から声が聞こえてきたそうです。

「川べりまで行ったら『人生のまとめ』について尋ねる。川べりに着くまでに、自分がどんな人生を歩んできたのかを、まとめておきなさい」

その社長は、人の20倍も30倍も努力をして、頑張って、怠けることも、休むこともなく、ただただ働き続けました。会社は大きくなり、従業員は1000人。商工会の役員も務め、地位と名誉を手に入れたのです。自分が成し遂げた実績に自信をもっていた社長は、「努力し、頑張り続けた自分は、きっと神様に褒めていただける」と胸を張り、意気揚々と川べりまで歩いていきました。川べりにたどり着いたとき、再び、あの声が聞こえてきました。

「それでは『人生のまとめ』について聞く。人生をどれほど楽しんできたか?」
社長は絶句し、答えられませんでした。「人生を楽しんだ」と思った瞬間が、一瞬たりともなかったからです。社長は、「人生は努力をするもの、頑張るものだ」と疑わず、ひたすら厳しく生きてきました。従業員を叱咤し、家族にも厳しく接してきました。そんな彼に「人生を楽しむ」という概念は、まったくなかったのです。
言葉を失った社長に、「天の声」は言いました。
「あなたは人生を勘違いして生きてきました。もう一度やり直しなさい」
「えっ」と思った瞬間、社長は息を吹き返しました。生き返ったのです。彼は今も生きています

~ 小林正観氏より ~


所長視点)
「楽しむ」人生を送ろうとしたとしても今抱えている事情が変わるわけではありません。事情が変わらなければ「楽」にはなりませんが、その中で「楽しむ」にはどうしたらいいか、人はいろいろアドバイスをしてくれることもありますが、「楽しい」と感じるのは人それぞれ。どんな事情を抱えたとしても、楽しむことのできる自分になるのが人生の目指すところなのかもしれません

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