今日のお題
きっと、多くの人は、何かを「丁寧にする」というと、ちょっと「ゆっくり」した動きが思い浮かぶのではないでしょうか。
でも辞書的な意味でいうと、「丁寧」とは「注意深く心がゆきとどくこと。また、てあつく礼儀正しいこと」(広辞苑) だそうです。
そう、「ゆっくり」というのは、「丁寧」の定義に含まれていないのです。
もちろん、何かに対して「注意深く心がゆきとどく」とき、あるいは「てあつく礼儀正しい」ときに、動作がゆっくりになる場合はあるでしょう。
だからといって「ゆっくり」が「丁寧」の必要条件というわけではない。
「ゆっくり丁寧に」というのは想像しやすいと思いますが、実は「ゆっくりではない丁寧」もあるのです。
逆方向から考えてみると、もっとイメージしやすいかもしれません。
「丁寧」の逆は「雑」です。
つまり、違いは「丁寧にするか、雑にするか」であって、「速いか、遅いか」ではない。
スピードは関係ないのです。
たとえば、お皿洗いのアルバイトをしているとします。
雑にガチャガチャ洗っていれば、目先のスピードという成果は一応得られるかもしれません。
でも、雑に洗うと汚れが残りやすいうえに、お皿を乱暴に扱って欠けたり割れたりする確率も高くなるので、総合的な意味での成果は低くなるでしょう。
それに、雑にしていると心が荒い状態なので、ちょっと油汚れがひどい食器が運ばれてきたりすると、すぐに自分の機嫌がイラッとする方向に反応してしまいます。
そしてイラッとするたびに作業の流れが止まります。
一方、丁寧に洗うと、目先の時間は多少かかるかもしれないけれど、まず汚れは残らないし、破損の確率も格段に低くなります。
それに、心が整うので体感時間として長時間に感じず、サクサク淡々とお皿を洗っていくことができます。
油がこびりついた食器が運ばれてきても、少しも心を乱されずに「あ、これね、オッケー♪」っていう感じで、スーッと汚れ落としに取りかかることができるでしょう。
そして実は思っているほど、せかせか洗っているときと、丁寧に洗っているときで、 実際の時間の差もありません。
つまり、結果的に「より早く、よりきれいに、お皿の破損もない」というパーフェク トな成果を得られるのは、一見スピードだけは速い「雑」よりも「丁寧」のほう、ということになります。
こんなふうに「丁寧」ならば、質・量ともに望んだことが叶います。
また、あらゆる仕事にも同じことがいえると思います。
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所長視点
丁寧に生きるとは、些事(小さなこと)をゆるがせにしない、ということだそうで、
「ゆるがせ」とは大和言葉で、一つひとつのことにしっかり向き合うこと、いいかげんにしておかないこと。
合理的なことや、スピードが重要とされている今の御時世ですが、丁寧に丁寧に生きることが心を磨くことにつながります。
大切にしたいですね
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