今日のお題
アメリカの女性社会運動家マヤ・アンジェロウさんの言葉に、こんなものがあります。
「あなたの言ったことや行ったことなど誰も覚えていません。でも、あなたと接したとき、どんな気持ちになったかは、たいてい覚えているものです」
誰かと会って、「会話の内容」は記憶にないけれど、「いやな人だった」「いい人だった」 など「印象や気持ち」だけは覚えている。
そんな経験はありませんか。
「何を話したか」は忘れても、「何を感じたか」は一生残るのです。
雑談は、この「印象・気持ち」を形づくる「つかみ」の機会であり、「アピールタイム」。雑談から始まる第一印象が、その後のキャリアを決定づけるからこそ、世界のエリート は、その時間を決して無駄にしないのです。 ではどうすれば、「世界水準の雑談力」が身につくのか。 私がエグゼクティブの人たちにお伝えしている具体的ノウハウを紹介していきましょう。
「雑談がうまくなりたい」と思ったら、知るべき「真実」がここにあります。
それは、人は「自分が聞きたい情報だけ」を受け入れる生き物ということ。
ブラジルには、「地球が平たいと信じている」という人が人口の7%いて、アメリカ人の約4分の1が、「地球のまわりを太陽が回っている」と考えているのだそうです。
「予防接種は危険だ」「地球温暖化はない」と信じ込んでいる人に、映像やデータなどエビデンスを見せて説得しようとしたところで、考え方が変わることはありません。
正しいこと、ファクトを振りかざしたところで、人の心は容易には動かないのです。
これは心理学でいうところの「確証バイアス」と呼ばれる現象ですが、人間には「自分 の考えを支持する情報ばかりを集め、それに反する情報を無視する」傾向があります。
ですから、「相手が興味のある情報」でなければ、受け止めてはもらえないのです。
つまり、雑談や会話をうまく進めたいと思うなら、「自分」が「投げやすい球」ではなく、 「相手」が「受け取りやすい球」を投げなければならないということです。
「自分をアピールしたい」 「自分が言いたい話を聞かせたい」 そうした「自分への執着やエゴ」を「手放す」、つまり、自分視点を「離す」ことが、「話す」ことを上達させる第一歩になるのです。
「相手の心の扉」を開けたいのであればまずは、あなたというカギが「相手というカギ穴」 に合わせるしかありません。
なぜなら、カギ穴はあなたに合わせて形を変えてはくれないから。 コミュニケーションの主役はあなたではなく、聞き手。
人は相手の聞きたい話より、自分の話をしてしまいがち。
人は会話の60%、自分の話をし、SNS上では、80%が自分の話なのだとか。
「自分のことを話すとき、人はお金や食べ物と同じような快感を覚える」
これを裏返すと、相手に「マイク」を渡し、話をさせて、聞いてあげれば、相手を快楽 ホルモンで包み込んであげられるということ。
「私は何を話そうか」と考えていては、雑談はうまくなりません。
『世界最高の話し方』東洋経済新報社
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所長視点
日本のリーダーは「受信力」が圧倒的に弱く、ある調査では 「人の話を聞かない」ことが「社長のコミュ力の最大の問題点」として挙がったそうです。
「あなたが話すときは、あなたは知っていることを繰り返しているにすぎない。 でも、あなたが聞けば、何か新しいことを学べるかもしれない」(ダライ・ラマ)
「何を話したか」は忘れても、「何を感じたか」は一生残ります。
相手の心の中に、暖かさを残せる人になりたいですね
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