今日のお題
みなさんは、食事に行くときに、新しい店に入ろうとしますか?
いったんお気に入りの店を見つけると、その店ばかりに行くようになる人もいます。
その店で注文する食べ物も、いつも同じという人もいます。
これは一番損をしない方法です。
行きつけの店で、いつもと同じものを食べれば、ものすごく得をすることはありませんが、損失はほぼゼロに抑えられます。
違う店に入り、食べたことのないものを注文して、「しまった。おいしくない」と後悔するリスクを避けることができます。
その裏返しで、「こんなにおいしいもの、初めて食べた!」と感動するチャンスは失っているかもしれません。
「得」を中心に考える人は、リスクを覚悟して新たなチャレンジをしますが、「損をしたくない」という気持ちの強い人は、リスクを避けて無難なほうを選びます。
人間関係にも当てはまります。
いつもの仲良しメンバーで集まっていれば、安心感があって、損をすることはまずありません。
楽しいときを過ごすことができます。
ただ、毎回同じメンバーだけで固定されて、それ以外のつき合いがなくなってしまうと、新たな人に出会って刺激を受けるチャンスはなくなってしまいます。
損をすることはありませんが、得をすることもなくなってしまいます。
損失回避性は、「現状維持バイアス」とも言われるように、現状志向です。
あまりにも現状維持志向が強すぎると、ワクワクすることがなくなる可能性がありますから、「損」と「得」のバランスをとることも大切です。
人間には「損失を回避したい」という心理特性があります。
しかも、人間は「得」よりも「損」に強く反応してしまい、損失回避性は非常に大きな原動力となります。
損失回避性がうまく生かされればいいのですが、目先の損を回避することばかりに目がいって、長期的な損失を生んでしまうことがあります。
不正会計や数値の改ざんなどの事件は、「いま、損をしたくない」と思いすぎて、間違った行動をとってしまったのでしょう。
すでに損失が出ている損失局面では、何とかして損を回復したいと思うがゆえに、リスキーな選択をし、よけいに損が膨らんでしまうことも起こりがちです。
ギャンブルで負けている人が、一発逆転を狙おうとして非常にリスクの高い勝負に出てしまったり、すでに投資した額を損失にしたくないために追加投資する、コンコルド効果のような例もあります。
「損をしたくない」という気持ちが強すぎると、何事も保守的になって、チャレンジをしなくなるケースもあります。
環境が変わっているのに、現状維持志向で何も新しいチャレンジをしないと、かえって大きな損失を抱える可能性もあります。
損失を避けたいというのは、人間の生来の心理特性ですから、変えようがありません。
しかし、心理特性は変えられなくても、そのことを知っていれば、その心理特性に陥っていないかどうかという自己モニタリングは可能ですし、判断や行動にマイナスの影響が出ないようにすることはできます。
正しい損失回避とは、目先の損失の回避ではなく、長期的な損失を回避するための判断と行動です。
優れたリーダーたちは、人間の心理特性を知り、それを判断や意思決定に生かしています。
『「損」を恐れるから失敗する』PHP新書
所長視点
損したことや失敗したことばかりに焦点を当てる人は、新たなチャレンジをすることを躊躇します。
失敗すると損…と捉えているとチャレンジに消極的になるのも無理はありません。
失敗するのが怖い人は、損得感情が強くなっているのかもしれませんね
損得より、失敗や損を通じて成長することを選ぶ人でありたいです
怖くなったら「成長」!
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