2021年1月16日土曜日

NO453 「コインで決めても変わらない」

「情報が多すぎたり、検討の時間が長すぎたりすると、小さなことがどんどん気になってくる」
「情報は多すぎないほうがいいこともある」ということがあります。
ただ、そうは言っても、大事なことになるほど素早く判断するのは難しくなります。
そんなときにヒントとなるこんな研究があります。
シカゴ大学の経済学者、スティーヴン・レヴィットは「人生の重要な選択の場面において、自分で決断できない人はどう決断すべきか」調査をしました。
そして、この調査のためにつくったのがあるウェブサイト。
「コイン投げサイト」と呼ばれるもので、閲覧者たちが「今決めかねていること」を書き込み、画面上のコインを投げるというものです。
このコインの表が出たら「実行」、裏が出たら「実行しない」というメッセージが出るというとてもシンプルなつくりです。
レヴィットはこのサイトで1年かけて4000人の悩みを収集し、「コイン投げの決断によって人生がどう変化したか」ユーザーたちの追跡調査をしたのでした。
驚くことにユーザーの63%がコイン投げの結果に従って行動していたのです。
さらに驚きの結果は、コイン投げの結果が表だろうが裏だろうが、悩みの解決に向かって何かしら行動を起こした人は、半年後の幸福度が高いことがわかりました。
「会社をやめる」という決断をした人も、「やっぱりこのままがんばろう」と決断した人も、いずれのパターンでも幸福度は高くなったという結果が得られた、というわけです。
つまり、決断においては「どう決めるか」ではなく、「そもそも決められるかどうか」のほうが重要だということです。
やめると決める、やらないと決める、そうして腹をくくることが結局のところ人生の満足度を大きく左右します。
「宙ぶらりん」の状態はパフォーマンスを落としてしまう原因になります。
なかなか決断できないことで悩んでいるときは、たとえば「これから3ヶ月は今の仕事をやる!」とまず決めて、やめるかどうかはそのあとで考えようなど、期限つきで選択をしてみるのもいいかもしれません。
なんなら、この実験のようにコインを投げて決めてみたっていいと思います。

停滞が「考えすぎる」原因の一つなのです。
ぜひ、前進するために決断を大切にしてみてください。
どう転んだって、結局はどうにかできてしまうのが人間なのです。

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