2021年1月9日土曜日

NO447 「失敗を許す」

息をのむステージパフォーマンス、すばらしい芸術作品、革新的なビジネス、天才的な発明など、成功者の偉業を目にすると、それらは類まれな才能の賜物で、最初から完璧だったと思いがちです。

しかし実際、特にすばらしいとされる偉業のほとんどは、数えきれないほどの失敗と挫折の果てに生まれています。

早く学ぶためにはまず失敗する、もしくはシリコンバレーの起業家たちがよく言う失敗して前に進むという考え方は、革新的なビジネスの生命線です。

まずは可能な限り早く商品のサンプルを作ってフィードバックを得、チャンスや問題点を知り、次のステップに踏み出す。

この考え方は、ピクサー・アニメーション・スタジオのすばらしい作品作りの核心です。

『ファインディング・ニモ』や『ウォーリー』の監督を務めたアンドリュー・スタントンはこう語ります。

「僕のやり方は、ずっと変わらない。まずはヘマをする。要するに《どうせ失敗するんだからそれはもう認めて、失敗を恐れないようにしよう。ただし、早いとこ失敗して答えにたどり着こう》ってこと。僕は最初から正しい答えが分からなくてもいい。ただ間違いでもいいからすぐに、とにかく早く何か答えがほしいんだ」

自分に失敗するのを許すことは、あなたがクリエイティブな仕事をしようと思えば特に大切です。

著書『バード・バイ・バード…書くことと人生についての覚書』の中で、アン・ラモットは執筆と向き合う際の苦労について述べています。

ラモットは、作品を完成させるために欠かせないのは、自分に「うんざりするほど最低な原稿」を書くのを許してあげることだと言います。

ラモットは、「自分が何を書いているか、書きながら分かっている作家なんて、ごく一握りしかいない」と言います。

自分が何を書きたいか、物語がどこへ行こうとしているのかが分からなくても、とにかく座って言葉をかき混ぜていれば、物語が動き出す場所にたどり着ける。

これは、「まずは失敗」アプローチの要となるアイデアです。

つまり、まずは実際にやってみないことには、それがどんなもので、それに対して自分がどう感じ、そこから何かが得られるかは分からないのです。


『一歩を踏み出せば昨日と違う自分になれる!』ライアン・バビノー&ジョン・クランボルツ氏 日本文芸社

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